- 矯正治療はどれくらいの期間がかかるのでしょうか?
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矯正治療は虫歯や差し歯の治療とは異なり、長い期間が必要となります。
一般的には、皆さんがよく目にする針金の装置(マルチブラケット装置)で平均約2〜3年、また、マルチブラケット装置以前の初期治療の段階でも同じく2〜3年以上かかる場合があります。
これはゆがんで生えた歯を正しい位置に弱い力でゆっくりと引っぱってきたり、あごの成長をゆっくりコントロールするためです。ただし来院されるのは3〜4週間に1度ないし1〜2カ月に1度で済みます。
- 装置の目立つことが心配なのですが?
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みなさんそのような心配はお持ちです。しかし本人もそうですがまわりのお友達もすぐに見慣れてきます。どなたも最初は心配かもしれませんが、始めてしまうと案外こんなものかと安心されます。
最近では矯正装置をはめていることもめずらしくはありません。装置がはずかしいという心配よりも、むしろガタガタや出っ歯・受け口の歯並びを放っておくほうが後々恥ずかしいのではないでしょうか。
あとの長い人生の事を考えるとはやめに勇気を出して治療に取り組んでいただきたいと思います。
- 矯正治療は何歳ぐらいまで可能なのでしょうか?
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最近では大人になって矯正される方もずいぶん増えてきています。矯正治療には特に年齢制限はありません。治療が可能かどうかは年齢よりむしろ、虫歯や差し歯の数・歯の根の治療はどうか・歯ぐきが健康かどうかで判断されます。
ですから、もし差し歯が少なく歯周病にもなっていないなら40代50代でも治療はできるでしょうし、逆に20代でも虫歯がひどくて差し歯が多く、歯周病もひどかったら、矯正治療よりもまず虫歯や歯周病の治療が必要となるでしょう。
大人だからといって矯正治療をあきらめる必要はありませんが、虫歯・歯周病はしっかり治しておく必要はあるでしょう。
- 上の前歯がガタガタでここだけを治療することはできないでしょうか?
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前歯にガタガタがあるということは歯の大きさとあごの大きさにアンバランスがある、つまり前歯がきれいに並ぶだけのスペースがたらないと考えられます。
ではこのガタガタを治す(スペースをつくる)ためにはどうするかというと、顎を広げたり、奥歯を動かしたり、あるいは途中の歯を抜かなくてはいけません。そうすると前歯だけではなく、奥歯も含めて歯並び全体に装置を付けないといけなくなります。
また、上の歯並びを治すと当然かみ合わせも変わってきますので、しっかり物をかめるようにするためには下の歯にも装置を付けて上下ともに歯並びを整える必要が出てきます。
- 矯正治療で歯が痛くなるということですが、どのような痛みでしょうか?
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矯正治療では歯が動く際にどうしても痛みが生じます。たとえると歯が浮いたようなじんわりとしたような痛みです。この痛みは装置を調節した後、2〜3日がピークで現れます。しかしその後4、5日もすればおさまってきます。
はじめ2、3日はかたいものが咬めない事もありますが、4、5日もすれば慣れてきて何でも咬めるようになります。この痛みの程度・期間は患者さんそれぞれで違いますが矯正治療では小さな子供さんから大人の方までたくさんの方が頑張っていますように、皆さん必ず慣れますので心配はいりません。
- 装置をつけることで、いじめられたり、からかわれたりすることはないでしょうか。
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最近では日本でもずいぶん矯正治療が普及し、矯正治療に対する意識も高まってきました。しかも装置もあまり目立たなくなっていますから、よほどからかわれたりいじめられることはないと思います。
それよりもむしろ出っ歯や乱ぐい歯のままでいるほうが、いじめられる原因となるのではないでしょうか。また口もとにコンプレックスを持つことで内向的になり、それがいじめの対象になることもあります。
矯正治療をしていることはそれだけ歯に関する意識が高い証拠でもありますので逆に胸を張って欲しいと思います。